ヴォイストレーナーの選び方[アーカイブ版]

声、発声、聞くこと、ヴォイストレーニングに関心のある人に  バックナンバーは「夢実現・目的達成のための考え方と心身のトレーニング」をご覧ください http://bvt.txt-nifty.com/trainersen/

響き、共鳴をつけるということ

歌うときに、胸の真ん中と軟口蓋を意識して響かせるのか、それとも眉間に響かせて意識して歌うのか。この問題は、歌唱発声について、簡潔にしか答えなかった私の真意を説明するため、意図的に詳しく解説してみます。

教科書的に答えるなら、低い声は胸声、高い声は頭声で眉間や頬骨などを意識してくださいということです。でも現実面、相手の状態をみないで与えるアドバイスは一般論にすぎず、すべて有効なのは各論(個人別のそれぞれの問題に対するそれぞれの対処法)でしかありません。やり方に対して、やり方を考えて、複雑にしていくのはおかしいのです。

まず第一段階として、体(発声原理)に基づいた回答でよいのか、どうかです。ポップスのヴォーカルや役者にとってのめざす声のイメージは、このような質問のベースとなっているクラシックと異なるものであることが多いのです。クラシックでも、全く異なる見地の人もいます。つまり、その人の目標として、何をめざす声なのかから、切り離せないのです。ところが、本によるメニュやそれを使った独学のヴォイストレーニングのレッスンによって、多くの勘違いが生じています。

軟口蓋、眉間に響かすなどということばは、たぶん、声楽家やトレーナー、もしくはその類の本から得た受け売りでしょう。それに従って学ぶこと自体が、目標においては、正しくないこともあります。つまり、こういうステレオタイプから、一流のポップス歌手は生まれ得ないということです。

次に、主としてトレーナーの述べるこういうことばがどのくらい妥当性があるかということです。まずは、どこかに響くという感覚を、どう認知したかということです。同じ発声でも、個人によって認知の仕方は違います。同じ状態を頭のてっぺんと思う人も眉間と思う人もいます。それをトレーナーの指摘することばで覚えるからです。

そのように、多くは同じことばが使われながら、行われていることが全く違うケースは、少なくありません(認知の問題)。まれに、ことばが実体を伴わず、明らかに誤用されても、マンツーマンで指導が理想的になされている例もあります(二者間伝達におけることばの実体の意味のなさの問題)。