声域は、ある程度の範囲内において、生まれつき決まっていますが、トレーニングによって変わることもあります。声域の広さや高音、低音の限界は、持って生まれた声帯を中心に、さまざまな条件で違います。
また、単に声が届けばよいのと使えるのとは違います。どのレベルで使えるのを声域とするかというのでも、大きく判断が違ってくるでしょう。
普通の人の声域は、話し声では、3度から半オクターブ(欧米人は1オクターブほど)歌では1オクターブからあと半オクターブくらいといわれています。これにはかなりの個人差がありますが、歌うのには充分です。それよりも、自分の扱える声域内でどのくらいきめ細やかに歌えるかということが大切です。
声域を伸ばすことばかり考えている人が多いのですが、自分の持っている声域の声を、より豊かに表現に使えるようにすることを優先しましょう。(一般的には、低い方へ広げるのは難しいといわれています。)
変声期を過ぎると、女性は年齢とともに、声質は太く、低くなってくるものです。この微妙な声質の変化は、その人の声の味わいを増すともいえます。