重要なのは、息を吸う量や吐く量ではありません。腹式呼吸と発声に加えて、声たて効率(いかに効率よく息を声として使うか)が、問題です。
息や声を出して、どれくらい長く伸ばせるかといったチェックは、息の支えが崩れるので、トレーニングというよりは、チェックと確認のためにするのです。
ほとんどの人は、息を充分に吐けるだけの体になっていません。日本では、プロの活動をしている人でも、呼吸力の不足で歌がうまくまわらない人が少なくないのです。呼気を声に変える効率が悪く、息のロスが多いとさらにそうなります。根本的には、声と息が深くなり、結びつくのを待つしかありません。息をあまり吸いすぎないことです。
発声の必要度に対応できる呼吸を身につけることです。イメージとしては、喉でなく、呼吸でお腹から切りましょう。呼吸は常に吸うのでなく、吐いた分、入るようにと考えてください。そこで、いつでも瞬時にスッーと入り、すぐに使える体勢を整えられるために、余力をもつトレーニングが必要なのです。ちなみに、肺活量は、成人を過ぎると、少なくなっていきます。肺活量を増やすトレーニングをするのでは、ありません。