だいたい20歳前後のときというのは、何もわからないままやれるというのが、可能性です。今の日本人の場合は、芸事の形の基本や経験がありませんから続けるのも難しいようです。
日本教育の中では、他の国に比べて、音声表現に対する耳、発声器官のコントロール能力がありません。そこから始めるべきなのに、多くの場合、素通りです。ですから、うわべは上達しても、不毛です。声の根本の条件はほとんど変わりません。
第一に多くの場合、音を聞き分ける耳を持っていません。トレーナーの声を聞いてください。その声に惹かれますか。その声がよければ、ましな方です。大半は、その声も普通の人と変わらないのではないでしょうか。
日本人の音声に対しての意識がいかに低いかということがわかります。欧米のすぐれたトレーナーの声を機会があれば聞いてもらいたいと思っています。トレーナーの声には、惚れ惚れするものです。