しぜんなままの声を天然声と私は述べています。素の声がよいときは、そのまま歌わせてあまり”本格的な発声”に変えないようにすることもあります。
ポップスとクラシックの差というよりも、個性やステージで求められるものの違いです。ですから、プロを教えるトレーナーは、発声だけでなく求められる歌唱や表現についてよく学んでいなくてはなりません。
20代くらいまでの軽く透明で伸びやかな声は、そのまま活かします。一方で、今後のために、体づくりや呼吸法を行います。素の声、天然声のままで、20代で通じる人は、100分の1、そのまま30代でも通じる人は、そのまた100分の1もいないからです。
トレーナーには、そのレベルになれなかった人が、そのレベルになれない人を教えているケースが多いのです。J-POPSの歌手をまねさせて、本人も生徒もカラオケのレベルから出ません。それではサラリーマンやOLのカラオケ上級者にもかなわないでしょう。
欧米も、天然声のヴォーカルは、多数います。日常レベルで声がはるかにしっかりとできて、鍛えられているので、歌唱のレベルも高く、コントロール力もついてくるのです。