ヴォイストレーニングは、どこかで目的を決め、その後も絞り込んでいくことです。それによって、トレーナーをどう選ぶか、トレーナーに何を望むかも違ってきます。
私がみるに、トレーナーとの相性よりは、方法とのミスマッチ、内容について目的にそっていないのが問題です。それでは、目的とする効果はのぞめません。トレーナーを変えるのでなく、トレーナーの使い方を変えるのです。
たとえば、ヴォーカルの場合、
目的……プロになること
効果……声域・声量がつくこと、歌がうまくなる
これをよく考えてください。果たして、この目的に対して、目指すべき効果がこれでよいのでしょうか。
はっきりいうと、この効果は目的にさほど必要なことではありません。これが初心者のうちは、わからないことです。
あなたが初心者なら、歌も声もわからなくてもよいでしょう。しかし、声や歌はわからなくとも、自分の目的の設定を間違えてはいけません。そのためにトレーナーがいるのです。多くのケースでは、トレーナーが気付かずに間違わせてしまっているので、始末が悪いのです。