ヴォーカルの声はしだいに浅く、小さく生声になり、かつてのように、話す声、地の声でプロとわかるどころか、素人以下になりつつあります。第一の原因は、誰もが無理にハイトーンへ音域を伸ばしてきたからです。そういう要求に、すぐに対応してしまうトレーナーが増えました。そういうヴォイトレ法が主流となりました。
今は、トレーナーがリスクを避け、のどに安全な方向にだけ導きます。それゆえ何ら声として鍛えられないのです。声のトレーニングなど、形だけで眼中にないトレーナーが多くなったのは、残念なことです。そのトレーナーの声か、その人を教えた人、その人に教わった人の声を聞くとわかります。