声は体に内在しているところから外に出ます。楽器として体のなかにあるということと共に、あなたの感覚・イメージ・意志と一緒に使われています。すでに表現のツールとして個性もくせも伴った声として演じられているのです。
ですから、新しい声を習得したりつくったりするのではありません。よい面も悪い面も含めて、あなたの声の素材としての可能性と、使い方の可能性を追求しトレーニングで変えていくのです。今ある声でかなりの部分は、実現されています。
声の実力としては、これまでよく使ってきた人ほど有利で使ってきていない人ほど不利ですが、トレーニングでの実力アップの度合いとしては逆です。使ってきた人ほど、よほどのことでないと大きく変われる可能性はなく、使ってきていない人は少しでも好転する可能性(少しやっている人並レベルですが)は大きいのです。伸びしろのことです。