ゴルフのレッスンプロの多くは、プロのトーナメントでは勝てない自分の立場や位置を知っています。しかし、ヴォーカルは、そうでないのです。ヒットしたからといって、他人に教える声は自分の声とは違う要因がたくさんあります。しかも、相手によっても違ってくるのです。自分自身の体験は、そのままで生きるのではありません。カウンセリングのようなアットホームな雰囲気が問われているので、ここもすごく温かくおだやかです。音楽は、コミュニケーションツールと考えるような若い人には、上から目線では力をつけることを阻害しかねません。今の受講生はそれを望んでいて、そこだけで評価してしまうのです。
実力向上が目的なら、声そのものへの厳しい指導が必要です。誰でもできる声やせりふ、歌だからこそ、世に出るには、続けていくには、どのくらい厳しいものなのかを想像できるようになることからスタートです。