ヴォイストレーナーの選び方[アーカイブ版]

声、発声、聞くこと、ヴォイストレーニングに関心のある人に  バックナンバーは「夢実現・目的達成のための考え方と心身のトレーニング」をご覧ください http://bvt.txt-nifty.com/trainersen/

見本をみせることについて

このテーマは意外と、大きな問題です。ケースによって大きく異なります。そのことを前提に述べます。私のやり方についての、背景となる考え方を語れると思うからです。トレーナーを多数抱え、全国のトレーナーの質問も受けている立場として、どこかで詳しく扱う必要を感じてきた問題だからです。

 私の研究所では、見本をみせることについて、トレーナーに権限を与えています。どちらでもよいし、相手によって変えてくださいと。少々無理をすれば、レッスンでの見本の実状は、次のようになります。

a.いつも見本をみせる

b.ケースによってみせる(相手、メニュ、年月、分野)

c.特別なケースだけみせる

d.見本をみせない

 邦楽やクラシックの人には、見本をみせないトレーナーがいるのは、信じられないかもしれません。ポップスや俳優、声楽家などでも、aのやり方のトレーナーは、dはありえないと思うかもしれません。私自身は、bとcあたりを中心に、グループレッスンなどの形態ではdでした。私の場合、音源もですが、他のトレーナーを使えるからということもあります。

 私のレクチャーは話中心で、実習をさせる時間より、キィとなるところをみせていました。今の私はトレーナーをプロデュースする立場になり、実習の機会は少なくなりました。

 年齢や声の衰えのせいではありません。多忙で体調が悪くなり、自分の声に不安を覚えてからは、自分のメニュを組み、リハビリをし、調子を取り戻しました。

 歌わなくなったために、声が衰えた歌手出身のトレーナーを見てきました。歌に専念していたら、これほどにも声の力は低下しなかったでしょう。加齢のせいにみえるかもしれませんが、天性でうまくいってしまった歌い手ほど、声の管理はうまくできないのです。人前で歌う機会が減り、よくない状態になることが日本では一般的です。日本のお客さんの音声表現に寛容なことが裏目に出ているといえます。