夢実現・目標達成のための考え方と心身声のトレーニング(旧:ヴォイストレーナーの選び方)

声、発声、聞くこと、ヴォイストレーニングに関心のある人に( 1本版は、https://infobvt.wordpress.com/ をご利用ください。)

プロヴォーカルとヴォイトレ

私のところに来ている、大ヒット曲をもつプロのヴォーカルは、「とても他の人には教えられない」といいます。私は彼を教えているのに、彼のようには歌えません。でも、彼は私に長くついています。自分は教えられないからと、新しい歌手を紹介してくれます。教える気がないのでしょうが、それも一流の歌手ゆえと思うのです。

 私は歌手を目指す人には副業としてのトレーナーを勧めていません。結論からというと、一流となると歌手は、それゆえに教えられないという、相反するのが、ヴォイトレの分野とも思うのです。

 ヴォイトレに携わる人の中には、歌手や俳優(もしくは元○○)兼トレーナーの人もいます。実経験は大切で必要なもので否定しているわけではありません。しかし、第一にメンタリティの違いがあると思うのです。

 一部にある「トレーナーはプロの歌手、俳優の経験者でなくてはできない」という批判は、本筋を外れています。アスリートと両輪であるパーソナルトレーナーは、一緒にプレイするチームメイトとは違うのです。

 私も過去、いくつかの大きなステージの経験があり、その感触が指導に役立ってはいます。プロとしてはもっと場数を踏んでいます。私は自分の歌やせりふでプロ並みの力がついたときに、自分よりもすぐれたプロたちのレッスンを始めたのですから、多くのトレーナーやカラオケの先生と始点が違います。

 イマジネーションで理解するのに、プロの100の経験を1の経験でもって凌ぐ、100倍のイマジネーションがなくては、トレーナーは務まりません。

 どんな分野にも監督兼プレイヤー(プレイングマネージャー)、演出家兼出演者、という人がいないわけではありません。プレイヤーは、弟子をとる人も多いでしょう。それが声の問題になると、かなり複雑になるのです。

 他人の声を扱うと、自分の声にも必要のない負担をかけます。音大ではある程度のキャリアを経て教わると、音大生相手だから、やりやすいと思われます。本人の歩んできた道だからです。