昔は、芸事の伝承は口伝(もしくは一子口伝)でした。作品が記録できなかったから、その形全体を知るためにも、題材の知識を得るにも、弟子入りが必要でした。それが、出番やデビューまで(家元制やプロダクションの問題にも関わる)の下積みにもなりました。ところが今や、種本どころか師匠や先生の名人芸まで動画で、見られるようになり、大きく変わったのはいうまでもありません。
歌をプロデュースした人から、その楽譜や歌う権利を必要としたときは、レッスンを作曲家が行なっていたのです。
私のところでも、以前は、歌は作曲家に教わり、声は声楽科にヴォイトレにいくというパターンもありました。今はプロデューサーやアレンジャーが歌担当になりますか。それはトレーナーというよりは、伴奏者やサウンドづくりとしての役割が大きいと思います。