早熟デビューでなかったタイプにも、器用ですぐ歌えるタイプと、不器用なタイプがいます。
私のヴォイストレーニングに限っていうと、すぐれた人がよりすぐれようとする場合と、人並みの力がない人が人並み以上になろうとする場合が多いです。
たとえば、劇団四季の主役級の人がブロードウェイに挑戦するときは前者、のどの弱くて人並みに声が出ない人が声をよく使う職を目指すようなときは、後者です。
私のところでは、舞台で生で通用する音声の基礎力をつけさせることを第一のモットーとしています。
声は日頃使ってきたものだけに、本当に変えるのなら、大変革を起こさなくてはなりません。根本的に変えようとしないと、条件から変えないと通用するに至らないということです。生きてきた年月がキャリアですから。
通用させるにも、通用しやすい調整を主として入るのと、根本的な条件から変えるのは、一見、方法が逆です。これこそが、私のヴォイトレのレッスンでもっとも誤解されやすく、混乱しやすいところです。