一言でいうと、一流のアーティストから気づき、声を鍛え、自ずと上方へ修正がかかっていくのが一番です。トレーナーはその人自身がこのようなことを気付く可能性を信じて、安易にやり方で教えてしまうことで邪魔すべきではありません。これが私の理想とするレッスンです。
私のようなトレーナーは踏み台であり、目標とすべき点ではない、と思っています。それゆえ、私の凡たる力の中に、相手をとどめてはいけないというスタンスの取り方です。
そこで、私は私以上のレベルの人を引き受けられるのです。こういうことはできない人や、できる人にはわかりやすいのですが、器用にできる人には通じにくいようです。誰かのようにうまくなりたい人、誰かのような声を誰かのように出したい人には、理解しにくいのです。その先鋒が案外とトレーナーであるのは、困ったことです。