とても難しいことでしたが、確かに一時、私のグループレッスンにおいて、声で世界と接点のついていた時期がありました。90年代前半までのことです。
私も30代で今思えば、まだまだそこからを活かせませんでした。
私自身を世の中に問うことに生きていたので、背中で語るしかないときでした。今もその頃のメンバーは何人かいます。ゼロからモータウンレーベルのように築こうと思っていました。それからの経緯は、歌そのものの変容によるところが多く、今だ総括して語り切れません。
トレーナーが生徒さんと仲良く「ちいちいぱっぱ」をやるようなものをみていた私としては、トレーナーという名称さえ使わなかったのです。今から考えると、孤軍奮闘の芯のあるトレーナーも少なくなりました。日本で先達を乗り越えようという意気込みがあった最後の時代を私は拾っていたのでしょう。