ポップスの歌を世界的にみて、日本人に欠けているのは、メリハリ、リズム・グルーブを表せる声です。太く引っ張られるようなことばをつかみ、リズムに従えられるようなインパクト、パワー、ドライブ感、加速度です。つまり時間軸にそった横読みでなく、それを空間の広がりにして、時空を変えてしまうほどのパワフルさです。
これは、俳優のせりふなどでは、一流のレベルに達しているものもあります。しかし、歌になると、発声、音程(メロディ)、リズム、ことばなどを消化しきれず、多くの場合、声質(音色)、声の線(動き)が犠牲となります。