日本人の歌手や声楽家には、1-1~1-2だけで勝負しようとしているように思えます。頭声と同じく胸声も、あてたり押しつけたりすると、2-1~2-2のひびきを増幅させ、拡散させてしまうだけです。
上(高い声)の線で下(低い声)の線との折り合いをつけるのは、民謡など邦楽でも共通のことといわれています。名人は、上だけのひびきだけの歌唱を批判しています。
声区のチェンジがグラジュエーションのように、なめらかになるには、(2-1~2-2)を使うのでなく、上のときに下で支え、下のときにも上で響きを感じていることが必要です。