私はヴォイトレで声が鍛えられ、変わったのですが、最初は変わり、プロレベルになったあと、1日8時間以上、人前で話しているうちに、プロの「役者声」の声になりました。
歌のレッスン時のほうが日常よりも、集中して意識的に腹式も使い、のども開くからではないでしょうか。その後、日常にも発声の体が用意されるに従って、全面的に変わっていったのだと思います。何もしなくとも、歳をとったら今の声になっていたのかもしれませんが、私がいえるのは、トレーニングをしないと、まがりなりにも、オペラの1フレーズを歌えるような発声は得られなかったということです。
私は研究所で30年以上いろんな人の声のプロセスをみています。私ほどに時間をかけて声を鍛錬した人は、それほどいないと思っています。簡単には述べられませんが、2割くらい、私の半分以下の時間で、同じプロセスをたどったような人もいました。2割くらいは、そのようにならない人もいました。男性はわかりやすいのですが、女性では日本人の場合は多く、3割くらいの人は、声そのものは大きく変わりません。第一に変わる必要がなかったといえます。