研究所のレッスンでは、本人の希望があればムチャなことでもやってみます。そこで得られた即興的な結果で満足されるならそれで終了ということもあります。
声は正解があるわけでなく、求める程度問題です。いらっしゃる人がもう充分といったらそれでよいとも思うのです。そうでなければ、私やトレーナーも、そういう目的をもっていらっしゃる人を最初から受け入れないという、大変に無茶なことをしなくてはならないからです。
本来は前提条件を整えながらも、トレーナーはその人の最終的な目的とする表現へのプロセスをシミュレーションして具体的なメニュ方法を考えていきます。実のところ、試行錯誤で、その可能性や限界に見通しをつけられないこともあるものです。
スタートラインにつけるのは、ゴール設定をするためです。なのに、本人はともかくトレーナーもスタートライン(そこは医者にはゴールですが)しかみていないことが多くなりました。歌やせりふについても、トレーナーのレベルによるのは、スタートラインなのにゴールになっているのでは、先がないのです。