声に問題のある人は、リズムや音程に問題のある人と似て、一つひとつにこだわりすぎることが少なくありません。トレーナーの指導下でも一つひとつ自分で「合っている、間違っている」とチェックするような人です。トレーナーにもいますが、医者の取り組み方に似ています。
もっとも大きな根本的な問題は、そこまで生きてきたところでの感覚(聞き方)とその処理のしかたの不適合です。それは、よいものを入れて、感覚から変えていくのです。
これまで日常であったものを少しずつ入れかえていくので、時間もかかります。補強すべき体や心の鍛錬も時間がかかります。しかし、続けることでしか変わりません。何事であれ、続けることで人は気づいたり体得して変わります。ようやくこれまでにない大きな能力を得ます。