私は十代で近所の声楽家(ソプラノ)の先生がつきました。今と同じくらい高い音は、何とか出たのですが調子によってうまく出たり出なかったりでした。共鳴をみけんにという、声楽の教科書の教え方です。今でも一般的に行なわれていますから、「間違った教え方」とは思いません。心身の状態のよいときは少々よくできて、よくないときは、できなかったのです。
初心者が心身の状態によって、できが左右されるのは当然です。今の私であったなら、その最高音は、心身の状態のよいときだけ出し、そうでないときは、痛めないように無理をしなかったかもしれません。ある程度は、のどを鍛えるつもりで、挑戦していました。私の場合は、スポーツで心身は人並み以上でした。高音に関しては、調整でよいでしょう。一般の人なら、少々鍛える必要があるのですが、高音を使って行なうほうがよいかどうかは、タイプによるでしょう。
基本となるヴォイトレにおいて、声のよしあしよりも、声を出すことやそれ以外のトレーニングで声を出せるような心身の調整やより必要なものの強化が、積み重ねられているかということです。☆
呼吸、発声、共鳴が変わるのは、そのイメージ、感覚、それを支える体や心が変わっていくということです。