個性はくせでなく、オリジナリティとはいっています。くせも個性の一つです。私が考えるに、音楽としてはくせは邪魔ですが、人間味、人間性として魅力になりうるのです。しかし、私はその人独自の音色や声のおき方に出ることを求め、それをニュアンスといっています。
私はエンターテイメントとしてより、ミュージシャンとしての歌い手をみますから、くせや色が音楽のインパクトやスケールを制限するときは、除きます。しかし、それでも出てしまうのは、よいとします。感情や心は入れようとしないほうが、本当は伝わります。つくるといやらしくなり、色づいても飽きられやすくなるからです。