レッスンの進め方を、レッスン受講生によせて変えていくか、トレーナーのもっとも自信のあるやり方で貫くか。
トレーナーが
1.トレーナー(師や先生)から教わった方法
2.トレーナー自ら得た、もっとも自分にふさわしかった方法
3.指導に効果をあげた方法
これらを型としてそのまま指導していくのか、レッスン生に合わせて、ときに新たに方法やメニュをつくりあげて、与えていくのか、どちらがよいかということです。
私のところでは、これは常に問題です。しばしば私は判断を求められます。原則として、一人で教えず、複数のトレーナーをつけている研究所では、必ずこの問題は出てきます。意図して問題としてあがるようにしています。
邦楽においては、絶対、守るべきは口伝でした。ところが、現代のメディア(音声動画の再生技術の普及)は、師弟制度の絶対性を根本から弱めました。
1は、海外のノウハウを日本に持ってきただけのトレーナーにも通じます。
2は、独善的に偏りやすい、トレーナーがどのレベルまで到達したかでみることとなります。そのことと、他の人にどこまで通じるかには、けっこう距離があります。
3は、現実として人をどこまで育てられたかということです。
それぞれ、その判断について一冊の本にできるほどの難題です。
師をみるには、その弟子をみることもよい判断です。どんな弟子を育てたか、育てているかということです。あるいは、その師の師に聞いてみるのもよいでしょう。
それによって、1、2、3のメリット、デメリットが少しは克服できます。優れた弟子になりたければ、優れた弟子のいるところを選ぶのも、一つの選択です。