夢実現・目標達成のための考え方と心身声のトレーニング(旧:ヴォイストレーナーの選び方)

声、発声、聞くこと、ヴォイストレーニングに関心のある人に( 1本版は、https://infobvt.wordpress.com/ をご利用ください。)

目的とメニュ

トレーニングと本番との目的と違いはこういう誤解が多いのです、結局ヴォイトレが、トレーニングとしてではなく、柔軟や発声練習のように期待されているからです。つまり、トレーニングしたらすぐによくなるということに期待されているのです。

 トレーナーのなかには、そういう要望に応じる人がふえ、トレーニングにもそういうのが中心になりました。それは、基礎でなく応用でのコツを伝えるということになります。

 私もそういうレッスンを入れています。本でも、「カラオケ上達法」や「裏ワザ100」などのように、応用したものを出しています。これは基礎でなく、本番体験というような応用なのです。そこから切り込んだ基本を必ず加えています。私の場合は本当の基礎を忘れないように心がけています。

 

 トレーニングにおいて大切なのは、何が正しいのかでなく、目的の絞り込みとそのためのきめ細やかな方向づけです。右のほうへのズレを真ん中に戻してOKということもあれば、もっと右へもっていき、次に左へ戻すということもあります。この幅の大きさがトレーナーの本当の力といえます。

 たとえば、ヴォイトレの前の柔軟運動などは、すぐに声に効果が表れます。しかし、そのあとはかなり徹底してやるまで大して効果に反映しません。高いレベルの目的や判断でないと、それができても前提に過ぎない、あるいは本当には必要とされないことであったりします。

 トレーナーが何人いても、いくつものメニュがあっても、その逆のことの存在と可能性をも知っておいて欲しいのです。メニュが上へとか左へとなっていたら、必ず下へとか右へということも考えておくようにということです。