声については案外と他の専門家も見抜けないことが多いようで、嘆かわしいことによく直面させられます。私としては、そこを他のどんなトレーニングもそれもあり、それもよしとした上で、一線を画しています。その出口が入り口にしか過ぎないことを知ってからいらっしゃればありがたいと思っています。
一般の人には、手が届くような目標にしてみせて、モティベートや自信を起こさせる、それは、メンタル面に問題のある人にも、場合によっては、よい処方箋となるからです。
多くの人に対して短い時間で効果をみせなくてはならないとき、専門外やまったくの畑違いの人にヴォイトレをアピールするときに、わかりやすく伝えられるのです。私もときおり利用しています。
たとえば、研修で、早口ことばを入れると、早く打ち解け和気あいあいとなります。体のこと、体操や柔軟なども同じです。発声と関係しているから、程度の低いことですが、一般受けも、玄人受けしてしまうのです。
本当の問題は、全体ではなく個、今ではなく将来に対して、どのようにトレーニングをセットしていくかということです。
私がグループレッスンをやめて個人レッスンにした第一の理由です。他人をみて学べるというメリットをなくすのは勇気がいりましたが、より大きなメリットをとりました。
自分の今をみる、今の体、今の24時間、次に過去をみてこそ、本当の自分の将来を推し量る力がつくのです。これまでのすべての問題が今の声(発声に関するすべて)に出ていますと、そこを、どこまで厳しくみることができるかどうか、今の声をどこまでていねいにコントロールしていけるのかという感覚=体に入ることが大事なのです。