科学が、アートの世界にまで入ってきたのはよいことですが、私は科学としての情報を集めて、使えないとことを説明しています。のどをいくらみてもらって、外科的な手術で解決できること以外については、メンタルの問題が大半です。心身ともに鍛えていくためにトータルのトレーニングをやるしかないのです。その当たり前のことがわからなくなっている時代です。
何事にも、そこにいけばすぐに解決するなどということはありません。いろいろな理論武装をして、いろんなものを手を変え品を変え、やろうとしても、本当のことに気づけば、そんなものに頼らず、自分でしっかりと日々トレーニングしていくしかないのです。そういうところから、ここにはいらっしゃった人がたくさんいます。(Vol.250巻頭言より)
声に関わる機能的な問題はいろいろとあるのですが、舌の長い短いなど、医学(手術)で直せないことは、自分をよく知って、最良の使い方を見つけていくのです。そのためにトレーナーを使うのです。自分を知るためにレッスンを使うのです。他の人と比べたり自分の悪いところばかり気にしてもしかたありません。
声は最高の声、歌は最高の歌を目指してください。たとえ、そうでなくてもやってはいけないわけではないのです。他人になろうとは、しないことです。