私が最初から研究所でめざしていたのは、一流の人材の養成です。心技ともにずば抜けたレベルに到達するためにレッスンとトレーニングがありました。スタートラインがプロへの指導だったために、必修でした。一流育成のために、世界の一流に学ぼうということで、声を徹底して学ばせたわけです。
そののち、かつてのグループレッスンでは音楽の感覚までをプログラムすることになりました。世界の一流レベルの声、歌、そこから日本人の一流レベルの声、歌と、相違点を徹底して分析して、プログラム化しました。わかる人にはわかること、どのようにわからない人に伝え、わからない人をわかる人にできるかが、レッスンの目的になっていきました。これには個人レッスンの方が適していたのでスタジオも体制も大きく変えました。
理想を保ちつつ、どこまで現実にあてはめていくのかの試みです。いらした方だけでなく、私自身にもさまざまな示唆を与えてくれたと思います。