NEWヴォイストレーナーの選び方[アーカイブ版]

声、発声、聞くこと、ヴォイストレーニングに関心のある人に  バックナンバーは「夢実現・目的達成のための考え方と心身のトレーニング」をご覧ください http://bvt.txt-nifty.com/trainersen/

オペラ歌手の基本に範をとる

今、私は能という、舞うのも座るのも形があるもの、型の決まっているものに接しています。謡の声は、姿勢、肉体の制限下に調整しなくてはなりません。直立不動の合唱団で発声を最高にするためにそこから何をするかということに似ています。そこで私は、そういう職人肌の人を共に組むトレーナーとして選びました。

プロデューサー、演出家の注文に合わせて、声をコントロールする術を与える、これは、トレーナーをはじめたときの私の立場、やり方に似ています。演出家、プロデューサー、作曲家と共に選ばれたのに基礎力のない日本のプロ歌手に、私はレッスンしていたからです。基礎力がないと、タレントや役者に移るか引退、転職することになります。私の理想と裏腹に、現場での要求という現実に対処していたのです。それを直視して、基礎づくりをまでじっくりととりくめないプロダクションやプロとやるよりも、一般の人から育てようとグループレッスンを始めたのです。 

プロに対して、私は、表現と体(声)からみています。ここのトレーナーの出身はオペラ歌手が多く、全身から声を出して共鳴させる専門家です。現実対応の先に理想があります。一般の人、役者、声優を教えていると、現実に対応できるようにもなります。現実に対応してしまうようにもなってしまうのです。

 役者の声とオペラ歌手の声のもっとも大きな違いは何でしょう。それは、クライマックスの死ぬシーンで顕著に現れます。役者は死ぬ人になりきり、しぐさ、表情に同化した声を出します。オペラ歌手は発声を共鳴、スタイルを崩さずに通します。声ことば共鳴の優先順位が違うのです。

 役者や声優がたくさん学んでいる研究所なのに、声楽家中心のトレーナーにしているのは、私が声から全てを考えている立場をとっているからです。