当時、私は、プロの育成から一時、手を引き、一般向けの研究所を開きました。1年363日体制で、来るもの拒まず、スタートしました。東京で300~400名、京都で40~50名で15年ほど続けたのです。
そこでは、皆さんからもたらされる歌、マスメディアでの曲の批評、連載などで、時流に応じることを余儀なくされていきました。
おかげで、そうでなければ聞きもしなかったであろう、よい歌やすばらしいアーティストにも巡り合えました(曲リストは、研究所ホームページ、前出の本に一部あり)。
そこでの私は、30年間、まったく軸がぶれていないのです。やや無理やり、日本のアーティストの歌を付け加えていますが、カンツォーネを使い、シャンソンを使い、ファドやラテンなどエスニックを使うなかで、発掘できたアーティストもたくさんいます。欧米などで歌っているVHS(ヨーロッパ式の)、日本未発売のは、LDを研究所に追加していきました。全集もあり、ほぼ全てはライブラリーに入れてきました。何万枚もの声のコレクションです。TVの特別番組やライブ版は貴重なものです。