声の学び方について、輪郭が見えてきましたか。一流の人からどう学ぶかは、「読むだけで…」(音楽之友社)に、詳しく述べましたが、前提として必要なのは、一流の耳作りと感覚作りです。声楽の人も邦楽の人も、参考にしていただければよいと思います。
歌謡界では、藤山一郎、淡谷のり子さんなど、昭和時代は歌の名人が輩出していました。かつては一般の人もクラッシック歌手には一目おいていました。TVにもよく出ていました。
一般的に知られた人では、立川清澄、五十嵐喜芳、中丸三千絵、鮫島有美子、森久美子、中島啓江さんなど。山路芳久さんは早逝しました。
平成に入り、レベル的には底上げしたのに、有名な人が出ないのは、残念なことです。
そういうプロセスで、レッスンやトレーニングは、誰かに合わせて行うものではありませんが、基準の喪失が惜しまれます。そこを変えていこうではありませんか。
感覚や聴覚、楽器としての声、発声器官の調整と改善、補正、強化です。それは筋肉や神経レベルでは解剖学的な話になるのですが、軟口蓋や喉頭の位置のような話になりかねません。共鳴、発声、呼吸、筋肉などを自覚して、感覚から体を変えていくようにすることです。
総括的なところでなく、部分的に捉えていくと変わります。関わりにもいろんなパターンがあります。より高く、より大きく、より音色、よりバランスよく、よりコントロールできるようにしていくのです。