ヴォイストレーナーの選び方[アーカイブ版]

声、発声、聞くこと、ヴォイストレーニングに関心のある人に  バックナンバーは「夢実現・目的達成のための考え方と心身のトレーニング」をご覧ください http://bvt.txt-nifty.com/trainersen/

状態の改善でなく条件の革新

 私はヴォイトレを、状態の改善でなく、条件の革新で捉えています。方法では、使い方ということで、声を心身の状態で整えようとするのがヴォイトレの大半です。そこでは、アスリート並みの条件だけがあればよいとなりかねません。心身を平常にすれば全力が出せ、それで通用する。アーティストにとって、それは必要条件の一つにすぎません、もっとも、ベテランなら不調を解消する調整をすればよいのです。

それに対して、これから一流になろうという人、一から始める人など、すぐれた条件を持っていない人では方法が違ってくるのは、あたりまえでしょう。

 トレーニングは、条件づくり、心身を条件として変えるために行なうのです。この大切さに私が改めて気づいたのは、一般の人と長く接したからです。

 プロは少なくともオーディションで選ばれてきますから、一般の人以上に心身に恵まれていたり、それまでに努力してそれなりに使える声を獲得していることが多いのです。10分も走れない人が、オーディションを通ることはないでしょう。

 私は野球、柔道、バスケット、水泳、合気道と、どれもかじっただけですから、一流のアスリートの境地まではわかりません。しかし、いつも、新しい物事を始め、3年くらいにわたり、あるレベルまで、形をつける基礎まで、つまり、一目みて素人ではないところの形を得るまでのプロセスを、何回もゼロから体験してきたのです。それは、トレーナーとして他の人のプロセスへの直観を働かせるのによい経験になりました。

 むしろ、幼いときからずっと続けているプロは、「自分に与えられたもの」「長い間かけて習得していったもの」の正体には気づきにくいのです。「灯台もとくらし」となるのです。

 いろんなスポーツや武道を毎日、3年やればリズムや時間にも鋭くなります。呼吸も深くなりますし、体のバランスや心身の状態も、気づけるようになるのです。舞台や人前でのメンタルコントロールも、初めて体験することが多く、大変なだけに鍛えられます。