NEWヴォイストレーナーの選び方[アーカイブ版]

声、発声、聞くこと、ヴォイストレーニングに関心のある人に  バックナンバーは「夢実現・目的達成のための考え方と心身のトレーニング」をご覧ください http://bvt.txt-nifty.com/trainersen/

状態の改善の限界

 私は、最初から「ヴォイトレは、全体の10分の1」と言っています。あるレベルに行くのに、その10分の1であれ、確実によくなるものがあるなら、大きな糧となります。そうなるようにメニュを与えています。

 私の本を読んで、ヴォイトレがほとんどの問題の解決の鍵と思ってしまう人が出たなら遺憾なことです。あくまで10分の1です。まして、リラックスやマッサージや発声の仕方を変えただけでどうなるでしょうか。

 私がリラックスしても、どの競技でも中学生のクラブ活動のレベルで通用しません。スポーツは、職人技のようなものですが、頭、体、心も、声も、究めていくと同じです。

 

 10代で喉もよく、歌もぱっと歌えていた人は、音大に入るにはよいでしょう。そかし、そのままではそういう条件を伴わない生徒の多いスクールなどのトレーナーには向きません。

 そうでなかった条件を努力工夫で克服する経験をもつトレーナーは、一流のアスリート、アーティストにコーチするのは難しいでしょう。私が水泳を子供に教えられても、オリンピック選手に教えられないのと同じことです。

 

 ちなみに私は、喉としては判断できませんが、発声としては、最低の部類でした。10代から誰にも負けない絶対量を、自分に課してそんなものでした。大学時代をバイトとレッスンに費やし、トレーニングで変えてきました。

 ヴォイトレで最初の2、3年に、あるいは2、3日でも、2、3ヵ月でもよいですが、大きな効果が出たけれど、そこからさっぱりという人は少なくありません。本人がそのことに気づいてないことがほとんどです。

状態と条件との違いを考えてみて下さい。私のいう状態は、左右の横軸、条件は上下の縦軸のようなものです。大半が、くり返しているだけでステップアップしないようになってしまうのです。

 状態の改善とは、あたかも医者が、ステロイドを処方したり、手術したりするようなものです。医者が、ここを紹介するのは、ここは1、2ヶ月でなく、3年以上先の問題に対応しようとしているからです。他の人が1年で学んでいくことを2、3年かかって学んでいくからこそ、先の見込みが広がるのです。