声は、心の問題、プラシーボ効果でも大きく左右されます。いつもわかりにくい問題です。
私も「トレーニングで、そういう声になったのですか」と、よく聞かれます「そうだ」とも、「違う」とも言えます。
日常に生きている中で、使うものが他人と違うレベルに達するのは、トレーニングの成果です。トレーニングは、やればやっただけの成果と思いたいものです。私も人一倍やりましたから、そこでは、胸を張りたいのですが、トレーニングをやっていなかったらどうなっていたかという自分とも比べなくては、科学的な証明にならないでしょう。それは不可能です。
この声で、仕事も研究所も、とことんやってきたことが、現実レベルでの証明です。いくら出版社でも、「この人がトレーナー?」という人の本は、出してはくれません。レッスンを受けにくる人もいなくなるでしょう。
もちろん、トレーナーの、笑顔や生き方が素敵で、レッスンも好きというのでもよいでしょう。
1.依存心
2.安心感
3.前向きになる
トレーナーの勧めるメニュ、方法、技法、運動、体操、果ては飲食物まで、どこまで信頼できるのでしょうか。それで声に効果があったと思うなら、それはいいことです。健康法と同じで、「この健康法があればこそ健康だ」というのは、方法、器具、トレーナーに頼らずに自分でできるようにならないか、考えるとよいでしょう。
サプリにはプラシーボ効果が著しくあります。私は結構はっきりと言うことにしています。自分の喉の形、喉の機能などに一喜一憂しないことです。人は、それぞれに独自のものを持っています。育ち、生活や習慣、環境で、それは大きく違ってきます。そこを変えていくことです。地道にコツコツと、です。
声帯という、とても小さなものでの歌唱が、人々の心を感動させるのです。
美空ひばりだからこそできたといわれることもありますが、彼女は、間近に死を控えて、片肺の状況でも30曲以上歌えたのです。人の声は、科学を超えるのです。それを突き詰めることこそが、科学的なのです。自分の判断を育てていくことです。