NEWヴォイストレーナーの選び方[アーカイブ版]

声、発声、聞くこと、ヴォイストレーニングに関心のある人に  バックナンバーは「夢実現・目的達成のための考え方と心身のトレーニング」をご覧ください http://bvt.txt-nifty.com/trainersen/

声の表現力

 先日、ある合唱団の先生が、「リズムは体でとると遅れるからイメージ(頭)でとれ」と教えていました。こういうのは、体感、イメージ力で、頭ではないのです。現にその先生自身は、体でリズムをとっていました。そこまでには何年もかかるから演奏会に間に合いません。普通の子の体や感覚はまだまだは鈍いですから、こういう指導がマニュアルとしてはよいともいえるのです。でも、こうした期間限定ばかりで仕上げようとしているのが、今の日本の大人です。中高校の合唱団は期間限定ですから、これはこれでよいとなるのです。

 今の日本のプロレベルのオーディション対応の歌唱やセリフまでは、レベルⅡで充分と思っています。しかし、その型を破り、個性にして、オリジナルのフレーズで勝負するならば、Ⅲレベルに達することが必要だと思っています。「歌手なら、しゃべるように歌い、役者なら歌うようにしゃべれる」ということです。

 レベルⅠ、Ⅱ、Ⅲというのは、レベルが上がっていくのはなく、必要性が上がっていくのです。Ⅲがハイレベルというのではなく、最も基礎の基礎となるのです。

 多くのヴォイストレーニングの受講者が、「歌うようにして歌おう」となるのは残念です。日本のミュージカルの歌が、その典型ですが、どうしようもなく違和感を感じるのです。その世界に入ったとたんに、置き換わった目標がミスリードしているのです。

 私は、演出家の作品としてのよし悪しとは別に、個としてのアーティストの表現しているものを見ています。表現としての声、ことば、歌をみています。声の問題が半分、あとは独創性、つまりは思う、感じる、考えることの集大成です。

 私のレッスンでは、一フレーズでも、どう思ったのかを確認します。一人で判断できる力をつけるためにです。その実習を通じて、主体的に考えられるようにします。本人の意見も参考にしつつですが。

 ことばに頼らないで深く感じることですが、ことばにしないと、積み重なっていくことの把握が難しいからです。研究所ではトレーナーにも、ことばで具体的に示す能力を求めています。