浅い声の人や弱い声の人は、日本人よりは、外国人に範をとることがよいでしょう。男性だけでありません。むしろ女性の方が、その差は大きいでしょう。文化的背景として、“かわいい”文化の先進国である日本の人は、早く大人になりたいという成熟願望をもつ人の多い海外と、大きくズレているのは言うまでもありません。
トレーニングは早く一人前、大人になるための手段なのです。子供でいることを目的にすることは、大きな矛盾でしょう。
ロシア人やフランス人の深い声とは言わなくても、欧米やアジア、アフリカ、どこの国にも声は範を取れます。エスニックな歌唱、民族音楽だけでなく、日本人の伝統的な声芸にも、たくさんのよい声、深い声があります。
ここでは、聴衆の好みや歌のジャンル、流行については触れません。人類共通の体としての発声と表現に従いたいと思います。