トレーナー、声楽家は、現実に、ここにいらっしゃる方には、とても役立っています。ニーズに応えるのが仕事ですから、そこはそれでありがたいことです。
私も応用ということで、基本を掘り下げつつ、ムチャ難題、いろんなところで解決できなかった問題の持ち込みに対応しています。次々と新たな問題を持っていらっしゃる人がいるから、ここは長年、声の研究所として活動できているのです。
何よりも、声や歌が育っています。それは、目先の結果でなく、何年後の感覚や体の違いに焦点を当てているからです。
1、2割うまくなればよいという人はアマチュアなら、カラオケの先生、プロならプロデューサー、役者なら演出家にアドバイスしてもらえば早いのです。そこはヴォイスアドバイザーとして使い、ヴォイストレーニングに使うなら、もっとしっかり考えなくては、もったいないです。トレーナー自身も伸びません。少し歌えたり声の出る人が、もう少し歌えるように、もう少し声が楽に出るようにしているというのでは、大した成果をもたらしません。 歌のプロと演技のプロと声のプロは、違います。応用は、歌やセリフ、その基礎が、声なのです。
私のところは、今年10年、20年とプロの活動をしてきたり、トレーニングをしてきた人もよくいらっしゃいます。研究所には私よりも年配のトレーナーも何人かいます。
桜の美しさでいうと、葉桜の美しさを何年かしたらわかるかもしれません。歳をとってこそ、経験してこそわかることもあります。それを若いトレーナーに求めるのは酷ですから、いつも知っていることの裏に、知らないことがあること、きちんと知らないということさえ知らないということを、アドバイスしています。