表現の3つのレベルについて述べましょう。
C.全体をまとめ、無難にこなす。
B.発声の響きで統一し、丁寧にことばを処理する。
A.本人の最も武器になるものを中心に表現する。
としてみます。
Bには、個性的で歌はうまくない、けれどもパワフル、インパクトのあるプロの歌手もいます。これをB2としましょう。役者型ということです。シャウト系やシンガーソングライター系が含まれます。
B1は、オーケストラや合唱団などとフィットする歌い手を考えるとわかりやすいでしょう。私はこの2つのBを日本の二極と言ってきたのです。ミュージカルでもB2は少ないです。日本にはB1とB2と併せ持つ人がいないのです。
AはB1+B2+Cです。B1やB2は含まれて目立ちません。世界の一流のヴォーカリストと呼ばれている人の顔、ステージ、歌声、しゃべり声を思い浮かべてみてください。
表現のA~Cは、本人の事情、目的やレベルもですが、今、置かれている立場、活動の現状も踏まえなくてはなりません。それに従い、Aへ歩んでいた人も、B2からB1にそしてCへ戻ってしまうことが多いのです。