世界に通じる声になりたいという人がいらっしゃいます。
海外のトレーナーを闇雲に高く評価する日本人らしい人もたくさんいます。海外のトレーナーは、日本人に対して大した覚悟をさせられません。実力差が大きいので、親善交流レベルです。
それがなぜかを考えずに、1、2割の改善で、一流の指導を学んだという歌手やトレーナーもいます。単にその肩書を履歴につけたいだけ、毎年渡米して継続しなくては、お偉いトレーナーも不憫でしょう。
フィギュアスケートやJリーグ(サッカー)などと比べてみれば一目瞭然です。日本のトップレベルの選手は世界に並びました。
ステージやレコーディングが迫っている人に、根本的なトレーニングは、表現力を一時落とさずには難しいということです。基礎はやりすぎることはありません。歌から一時遠ざかることもあります。
発声に関するノウハウや新たなメニュを得ることで、歌が楽になったり、表現力を増すことはよいと思います。喉が荒れてくる人もいるのですが、ウォーミングアップ、クールダウンして使えばよいです。
表現はよほどの実力のある人でないと、ど真ん中の声からやっていくと、バランスを崩しかねません。誰でもこれまでに「声は使ってきているし歌は歌ってきている」という事実です。特にプロは、かなり使ってきています。
日頃の生活から、よいところ(プラス)も悪いところ(マイナス)も積み重なって、今の声に出ているのです。あなたがプロなら、すでにもっているものによいこともたくさんあります。そのために犠牲になったり、制限されたところもあることを忘れないようにしましょう。総合的にみると、これまで、あまりやっていない人よりは、問題が複雑になっているのです。