研究所には、アメリカのセス・リグスはじめ、イギリス、フランス、中国の発声のプログラムや音源、教材などがあります。日本のものは、この30年内のものは揃えています。高木東六さんや曽我さん、遠藤さん、松田トシ(敏江)さんのも。今の30代のトレーナーのものまであります。
私と日本の声楽家の叡智を集めた研究所のトレーニングは、私のトレーニングの欠点もフォローしています。
世の中には、早く上達させられるようなプログラムや機器がないわけではありません。何度もくり返すように、トレーニングというからには、長期的に確かな差となってくるもの、逆にいうなら、ちょっとした違いにしかならないものは、無視するべきです。こういう方針は、現代には合わないのかもしれませんが、死守するつもりです。
オーディションに受かりたいなら受かることをすればよいでしょう。しかし、その後続かなければ…。人生は長いのです。2、3年でやめる人もいるのですが、プロというのは、10年、20年やって初めてそういえるのです。せめて、トレーニングというなら力になることをやるべきです。その2つの根本的な違いについて、何十回も述べているのです。