ヴォイストレーナーの選び方[アーカイブ版]

声、発声、聞くこと、ヴォイストレーニングに関心のある人に  バックナンバーは「夢実現・目的達成のための考え方と心身のトレーニング」をご覧ください http://bvt.txt-nifty.com/trainersen/

21.アーカイブ、研究所史、そのほか

掛け合わせる☆☆

昔、グループレッスンで、高橋竹山の三味線とマイルス・デイビスのトランペットを同時に流すようなことをたくさんやっていました。その中で、次元を超える何かがシンクロしたからです。 それは、私一人のときにも生じて気づいたので、公の場でやってみました…

未成熟のままに

日本人は、完成されたものより、未成熟からのプロセスに惹きつけられるように思います。弱者としての生存術が、日本の歌謡において、第二次大戦後は、頑なに続いています。流行歌まで禁じられていたという状態からの反動やアメリカ文化に対する憧れもあった…

研究所史(10)

日本は、一端、形、型ができると、それを深めるのに純化していく傾向が強く、そうして強国には築かれた縦社会ゆえ大きな障壁となっています。縦割り行政ということばでよく使われていますが、障害となるのは行政だけではありません。大横綱ゆえに代表理事を…

研究所史(9)

外国人の方が日本の継承にこだわらない分、比較しつつ学んで、総合的に早くよくわかるというのと同じです。結果として大局から入るので効率的なのです。一つの流派だけで何十年もやっている人は、他の流派のことを全く知らないということもあります。そこに…

研究所史(8)

ノウハウ、マニュアル、方法よりも基準を学ばせ、それに必要な材料をメニュとして与えるというのが、最初からの考えです。このあたりは私のデビュー本に詳しいです(「ヴォイストレーニング基本講座」として増補改訂発売中)。 邦楽も声楽も、ここの一人ひと…

研究所史(7)

人数がいくら増えても、人材が出なくては仕方ありません。幸い、研究所で学べたかどうかは別として、在籍したあと、歌い手だけでなく、アーティストやプロデューサー、ビジネス、役者、トレーナー、指揮者、作家など、多彩な分野で活躍されている人がいらっ…

研究所史(6)

たとえば、研究所の発足当初は、時間など誰でも気にしませんでした。劇団のように、最初のレクチャーで3~5時間連続でしたが、誰も去りませんでした。2時間でも長すぎるという人が出てきたのが1997年頃で、転機とともに第一期の終焉でした。 私のところは、…

研究所史(5)

研究所のレッスンは、集団グループからマンツーマンに移行しました。多くのトレーナーや生徒さんが通っていると、いろんな考え方が持ち込まれます。未熟かつ柔軟な組織だったときは、その場の相手との対応で自由にできていたことが、形ができて、それを求め…

研究所史(4)

今の研究所は複数名(2~4名)のトレーナーによる個人レッスン指導が中心です。それと、いくつかの研究会、勉強会、実習、研修をしています。そこでの体制として、参考にしたのは、邦楽とクラシックの世界です。 一人のカリスマが一つの芸を確立させた、ある…

研究所史(3)

ある時期に、研究所のプロダクション化やライブハウス運営、専門学校化をやめました。判断も、その都度、学びの材料として、皆さんに提示してきました。 できること、できないこと、やりたいこと、そうでないこと、やるべきこと、やるべきでないこと、多くの…

研究所史(2)

芸事の伝承を標準化しようとしたスタイルの一つが学校です。カルチャー教室やビジネススクールもあります。研究所は、プロとの個人レッスンが集団レッスン、グループレッスンに変じました。一個人の研究から、複数での普遍化へ、自らの声を研究したい人が集…

研究所史(1)

この研究所は、ロック、ポピュラーの声づくりから始まりました。その後、声優、役者などの声づくりに拡がりました。欧米のメソッドを参考にしつつ、声に関しては、日本の役者の声づくりを応用したといえます。 次に、音楽(洋楽)スタイルを目指す歌手に補強…

活字の力

かつて、研究所の生徒は、リソグラフで両面刷った会報を、自分でホチキスで留めて持っていきました(今は印刷です)。60~80枚くらいあり、1ページも3段でした。私も通して読むと丸一日かかりました。それを皆、食い入るように読んでいたものです。 「なぜヴ…

「よい状態」で知る

かつて、10年ほど続けて合宿で軽井沢に行ったのは、心身を解放された場でリラックスと集中を感じさせたかったからです。スタジオの次元と異なる深さで体験させたかったからです。 いい状態にするのに時間をかけるのでなく、「いい状態から始めたい」なら、い…

スタンス

私の手伝いをさせていたトレーナーがあるとき、私の全体評(ステージ実演のコメント)のあとに自分も「私と同じことを、寸分たがわずにノートに書いた」と言っていました。「10年もいたからわかること」と思いました。 評というのは、歌への評価ですが、本当…

時間と静寂さ

音楽やせりふは、時間のアートです。時間をどうみるかです。これは「永遠の問い」にも通じます。ともかくも、無音から一つの音やその動きに集中して、ゆっくりと学ばなくてはなりません。 私は、ピアノ伴奏に頼らせずアカペラをメインにしています。何でも描…

対し方

私はかつて、研究生の出してくるレポートに、論を返していました。私のスタンスをもって否定してくる人にも対峙してきたのです。そこで時間をかけて答える姿勢を保ち続けることが私の生きることの一部でした。 ところが、対し方を伝えたいのに、その論の正誤…

我を出す

昔は、「自分を出すような歌はうるさいから、声に委ねろ」と言っていたのに、今は「自分を出して歌ってください」と言っています。 表現力は、体力とメンタルに支えられます。その我が弱くなると、その人の生き方、生き様が出てこないのです。 歌が、メロデ…

起こる

ステージですから、何かが起こったらわかります。わかってこそ、「起こった」といえます。 起こらなければ失敗、というよりも、勝負以前なのです。何かを起こすかどうかは別として、出したところで何かが起きなければ表現ではないのです。 それが、私がいち…

共感

学び手が引き出すトレーナーの能力について述べます。 かつて、私は、研究所のライブのステージを見て、一言も語りませんでした。そこの場は真剣に臨む人が多くいて、それだけでことばは必要としなかったからです。 私がうしろにいて、空気を緊張させていれ…

正しいと言うな

声に正誤はありません。あるのは深さです。それゆえ、程度とできの問題です。ですから、一つの方法でなく、いろんなやり方、アプローチがあり、プロセスがあり、効果があります。 せりふは、ことばとしては、子音で共鳴を妨げます。具体的な意味内容を得られ…

位置づけ

私のように何十タイプものトレーナーや何百タイプもの人を何年もみてきても完全にわかるわけではありません。わからないゆえに、選ばずに新しい人を引き受けてきました。400人くらいの人を毎月、グループで続けて10年以上みていたことは、今となっては、願っ…

トレーナーの学びと使い方

日本人に「主体性」を気づかせるのは、殊のほか難しいものです。レッスンをマンツーマンにしたのもグループでの主体性が失われてきたからです。 間違えないでほしいのは、方法やメニュの差異を比較して、トレーナーの優劣を決めても仕方ないということです。…

制限と判断

私は、グループレッスンのときから、他のトレーナーを使っていました。個人レッスンもトレーナーにやらせていました。「福島のレッスンよりも、他のトレーナーのレッスンの方がいい」という人も出てきました。 それは、最初、私が分担したくて、そうして成り…

反駁を反証する

私は、声の分野では、最も多くのレッスンを言語化してきました。自らのレッスンだけでなく、他人のレッスンをも記録してきました。それ以上に、多くの人に、ことばにしてもらったのを記録し、比較、検証してきたのです。 生徒はもとよりトレーナーやゲストに…

プログラムのないこと

「何か」があるらしいというのはわかるが、まだわかっていないので、そのことにアプローチしていく。それは「後になって身につく」という漠然とした予感からスタートします。 その答えは人生の後半にわかるか、もしかすると死ぬときにまでわかりません。一流…

知恵

宗教、哲学、芸術は、真理を求めて、それぞれのアプローチで成立してきたのです。芸や武道、スポーツも、発明や研究など、すべて人間の高度な活動には理があります。そこを本質として捉えられるか、その経験を得られるのか、それをレッスンという場は与えて…

声楽を使う理由

アイドルの話を持ち出したのは、私が最初に関わって、もう30年になることと、その縁でいろんなところからいらっしゃるからです。 最初は「ステージのための声の調整」がメインでした。時間的に基礎づくりをできなかったために、私が研究所を一般の人が長期的…

アイドルのレッスン

ここには何名か、日本でメジャーな会社のアーティストがきています。発声に声楽の基礎を身につけさせています。 大した基礎もなく、現場に出される日本の業界は特別です。かつては20歳大半ばで使い捨てでしたが、今は、あまり年齢で決めつけられないところは…

削ぎ磨いていく

二十代の頃は何もかも一人でやろうとして、あまりに膨大なやるべきこと、知るべきこと、生徒の数やレッスンの量に忙殺されました。 まわりは、レッスンだけでも大変な私に、ステージから打ち上げ、合宿からライブ、研修、構成、取材、執筆と、歌えや踊れや、…