巷によくみかける歌い手のタイプをあげておきますので参考にしてください。
歌には、自分の表現を自分の呼吸で声としてとり出すことが基本です。
作品は、リアリティ(立体感、生命力)に、あふれているかどうかでしょう。
しかし、次のような場合でも、状況さえ伴えば、大化けすることもあります。
歌というものは、おもしろいですね。日本人(客)の好みも反映されます。
◇唱歌、コーラス・ハモネプ風・・・感じられない、得意ソウ、“うざい”
唱歌風の歌い方は、発声トレーニングを受けてきた人に多くみられます。
共鳴に頼りすぎて、ヴォリューム感やメリハリがない。一本調子、正確さだけが取り柄で、おもしろみがない。つまり、誰が歌っても同じ、その人の個性や思いが出てこないのです。
合唱団、音大生、プロダクションの歌手、トレーナーなど、正規の教育を受けてきた人にもよくみられます。音楽を表現するのに必要なパワー、インパクト、リズム・グルーヴ感がないのです。生まれつきの声のよさだけに頼ってきた人にも多いです。先生の言うままにつくられた“日本では、歌がうまいといわれる”優等生タイプです。
◇アイドル型・タレント型・・・やっていることがわからない、カワイイ、“ガキっぽい”
しゃべり声で、甘えた感じで歌う。喉声にならないように浮かし、やや発音不明瞭で鼻についた声です。タレント型ヴォーカルに多くみられます。
他の人がやると、くせのまねにしかなりません。カラオケでは目標とされています。
とはいえ、高度なレベルでは、ニューミュージックやJ-POP、演歌の歌い手など、声が高く生まれついただけで、作詞・作曲・アレンジ力で通用しているヴォーカリストにも多いようです。他のタイプの人には、真似て百害あって
一利なしです。
◇役者型、喉シャウト型、語り調・・・のれない、くさい、“くどい”
ことばを強く出し、せりふとして感情移入でもたせます。個性やパフォーマンス、演技からくる表現力でもたせているため、呼吸がことばに重きをおく反面、音楽性、グルーヴ感に欠けます。存在感とインパクトの強さで、個性的なステージになります。シャウトもどきの声でやる人は、調子をくずしやすく、選曲のよしあしで良くも悪くもなります。
もう一つは、語り調で、雰囲気づくりにたけ、ぼそぼそと歌うタイプです。
テンポ感、リズム、ピッチに、甘いです。