絶対音感教育を指導しているところもあります。最上葉月さんの書物「絶対音感」が大ヒットしたように、日本人はこういう基準に頼りたがる人が多いです。ビートたけしさんなどでさえ、「絶対音感がないから、すぐれたミュージシャンになれない」というような誤解をして、それに基づく発言をする文化人、芸術家が日本人に多いのです。絶対音感神話みたいなものをつくりあげています。
世界中に絶対音感のない一流のミュージシャンや作曲家、歌手はたくさんいます。
小さい頃に、音楽教育で身につく一つの能力にすぎず、それをつける努力の必要もないし、また絶対音感をもっているからといって、何ら誇るべき価値はありません。バイオリニストで論客でもある玉木宏樹氏などと同じく、私は先の著書の論には、否定的な立場です。