若い人には、あまり他人の考えで左右されないでほしいと思います。表現を支える基盤とは、あなた自身の生き方、生きてきたことのパワーの総合力というようなところがあるのです。
特に歌は、二十歳でも、うまい人はうまいし、五十年、習っていても、へたな人はへたなのです。だからこそ実力派志向でいくなら、しっかりとしたトレーニングが求められるのです。呼吸や声のためによい習慣づけをすることが大切です。
私は、どこかで、トレーニングに徹底して集中できる二~四年間をとることを勧めています。それに前後して十年です。そうでないと、本当の意味で、感覚はともかく体は変わらないからです。
体<声>づくりの期間に五千時間、音楽を入れるということで、五千時間の、合計一万時間。
でも、日本のヴォーカルに関しては、それだけの時間は関係ないかもしれません。それまでに毎日行なうのは、ブレス(体)のトレーニングと、耳(感覚-音楽)のトレーニングです。