人に期待するということは、第一に自分にその見返りが欲しいということです。自分にも同じだけ期待して欲しいということになります。それには自分の力をつけなくてはいけません。そしたらまわりが世に出してくれます。
日本では、力がないままで、媚びてくる人を大事に、親切にする先生が多いようです。先生のいうことをハイハイと聞く人の方が使いやすいから、重用されるのでしょう。
そうなると、人間的には、よい人で、専門職では一人立ちできない人ばかりが、たむろするようになります。そのため、場がダメになってしまうのです。
才能の世界では、常に創造、表現での実力勝負です。そのことを理解していないのです。それには、自立した精神をもつこと、これが芸の技術の前提として大切なことです。