師のところにいくのは、いくつかの目的がありました。
1.内容(落語なら噺)を覚える昔は、寄席でしか噺は聞けませんでした。噺を仕込みこむのが、最大の目的でした。歌手なら楽譜を入手する、あるいは歌(詞や曲)をもらうことにあたりました。
いまやCDで音声、DVDで振りまで学べます。客席の正面からしか見られないのを、弟子は横からしか見られない。DVDは、繰り返し多角的見られるので効果的です。
2.自分に対するアドバイスがもらえる。これは、師によります。友人や先輩よりもよいはずですが、芸の名手、必ずしも教える名人ではありません。
3.見本がそばで見られる。これも声は楽器と違い、個人差があるから、まねがくせになりやすいです。つまり、耳でとらえるようにやっても、師と同じフレーズまわしになりません。なったとしても、よくないのです。同じ声を出すには必ず、無理が生じることは覚えておいてください。
師と似た声の人ができることを、違う声の人はずっとできません。