声を武器にして人前で表現するとしたら、日常以上の条件や技術が求められます。師というのはかつては高所にいて、弟子ののぼってくるのを見守ればよかったのです。しかしトレーナーは、そこまで求心力がないので、はしごをかけて下まで降りてくるタイプが多くなりました。何とかしてあげようと、親身になって考えてあげるのはよいのですが、成果が上がらなくとも満足します。これだけやってもらってよくならないのは、自分の素質や才能、努力が足らない、と多くの人は、素質のせいにします。
一方で「こうしろ」とか「なぜできないの」とムチをふるうトレーナーは、最近は嫌われますから少なくなりました。顧客満足の時代ですから、コミュニケーションをとり、説明はていねいになりました。医者でさえ、サービスで問われるのですから。
でも本当は技術でしょう。医者は弱った人を社会復帰させるのですから、カウンセラーのような要素も入らざるをえません。まわりのスタッフや看護士が行なえたらよいのですが、医者のことばを信じるのです。トレーナーは、生徒のレベルに降りていったらいけないと思います。技術としてのギャップを示す必要があると思います。