言い換えると全員を平均点にあげるのと、一部のエリートをトップスターにするのとは、考え方が違うのです。
日本は戦後、本当の意味での(心身、体の)エリート教育を捨ててしまいましたから、こういうことがわからない人が多くなりました。誰もが平等、同じ実力、同じ評価というのを、芸にまで持ち込みかねない風潮です。
たとえば、プロからアマチュアの指導に降りてくる人には、プロだったゆえにやさしい人がとても多いのです。ファンサービスの延長上に、よい人と思われるように振る舞います。結果として、プロには絶対になれないように指導してしまいがちです。これは仕方がないことかもしれません。
私の知人の黒人トレーナーは、日本人にはやさしく、同じ黒人にはとても厳しくレッスンしていました。日本人に好かれることが第一だったかもしれませんし、生計がレッスン料によっているという現実の問題もあります。