a.元々の楽器=のどを中心とした体
b.使い込み、手入れ、今までの歴史、経年変化=育ち、育て方(スキル)
c.今の使い方=テクニック
オペラにおいては、本人の努力はあるとしても、持って生まれたものの差は大きいと思います。パヴァロッティのような声を聞くと天与、giftということもわかります。しかし、表現やオリジナリティを踏まえるなら、ロマのバイオリンのようなもの、インドのカーストで音楽を生業とする人の演奏のレベルの高さは、それにひけをとりません。楽器は、ボロボロのようにみえますが、本人がつくります。手製ですが、その調整の耳とそれを活かす演奏がプロフェッショナルなのです。楽器を半分つくり変えるほどの調整と演奏をしてしまうのです。
民族音楽とオーケストラに使われる楽器の優劣を簡単に述べることはできません。そのこと自体、無意味です。どの時代どの国にも、すばらしい演奏家も歌い手もいたということは事実です。クラッシックの楽器は均質化され、誰もが練習しだいでよい音を出せる保障がされているといえます。