体、呼吸、音楽性も程度問題です。しかし、プロの世界は、そのみえないものが大きくものをいうのです。聞こえないものを聞こえるようにするのが、私の役割だと思っています。そこまでいかなくては本来の面白さはわからないというくらいに大変ゆえに深く、確かな世界があります。これは確かな基準です。
この基準づくりこそが、私が生涯をかけて見いだしてきた宝なのです。それは、全世界、この時代においてもポピュラーに限らず、一理あるものです。それがおかしいとしたら、人が何を求め、こういう世界を作ってきたのか、感動してきたのかということまで虚ろなことになります。
時代は変わり、歌も変わります。しかし、変わらないものを見据えて変えていくのです。