現実面において根本的なトレーニングほど、舞台ステージングとどう両立させるかは、最大の難問です。そのため多くのレッスンでは、これまで私が述べてきたように状態をよくして調整することで終始しせざるをえないのです。
大切なのは、明日の可能性より、今日の舞台ということが、現実としてあるからです。
しかし、そこまで追い込まれてしまうと、トレーニングも難しくなります。私はいつも、そういう状況になるまえ、(デビュー前、や活躍前)がベスト、あるいは、もっとも調子のよいときに何年か先のことを考えて、少しずつでよいからレッスンに通うことを勧めてきました。でも、プロの人は声を損ねたり、下り坂になっていらっしゃることも多いので、両立については、個別に多くのことに対処することになります。